【障がい者雇用インタビュー】株式会社佐野様

2026 年6月 19日

― 「考えれば考えるほど、“できない理由”をさがしてしまう」初めての障害者雇用に挑戦した、株式会社佐野の1年間―


企業プロフィール

  • 企業名:株式会社佐野
  • 業種:機械工具販売業
  • 従業員数:110名(2026年3月)



    【ご協力】 
    総務部部長 太田様

    【聞き手】
    株式会社クラ・ゼミ
    障がい者雇用サポート事業部 河合
    (支援担当:菅沼)
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「障害者雇用、何から始めればいいのか分からなかった」

株式会社佐野様は、創業90年を超える地域企業です。機械工具販売業として地域産業を支え続け、袋井市では全国的にも有名な「ふくろい遠州の花火」にも深く関わってきた企業でもあります。
そんな株式会社佐野様ですが、2025年当時、障がい者雇用については「未経験」でした。

―2025年8月、初めて御社へ訪問させていただいた時のことを覚えていらっしゃいますか。

太田様:覚えています。
当時は、障害者雇用について「何とかしないといけない」という認識はありました。
ただ、正直なところ、

・何から始めればいいのか
・どこに相談したらいいのか
・そもそも自分たちにできるのか

そういう状態でした。知識も経験も全くありませんでしたので。

①

 「納付金を払えばいい、とは考えていなかった。」

一方で、株式会社佐野様には、当初から一つの考えがありました。
それは、「納付金を払えばいい」……ではないということ。

―最初にお話を伺った時、佐野社長がとても前向きだったのを覚えています。

太田様:そうですね。社長自身、地域企業として、障害者雇用は避けて通れないという考えを持っていました。
株式会社佐野は創業90年を超える会社ですし、地域との関わりも大切にしてきました。
だからこそ、「法律だから仕方なくやる」というより、“地域企業としてどうあるべきか”という視点があったんだと思います。

④

「具体的なスケジュール」が最初の一歩になった

とはいえ、気持ちだけで前に進めるほど簡単ではありませんでした。

太田様:実際には、“やろう”と思っても動けないんですよね。
・何を準備して
・どう採用して
・どう受け入れるのか
全部が分からなかった。

でも、その時にクラ・ゼミさんが、「この時期にこれをやりましょう」という具体的なスケジュール案を示してくれたんです。

それで、「あ、こうやって進めればいいんだ」とイメージが持てたことで少し安心したことを覚えています。


最初の壁は「業務の切り出し」だった

―2025年10月、クラ・ゼミによる支援が正式にスタートしました。
最初に始まったのは、「どんな仕事なら任せられるのか」を探す作業でした。

太田様:最初はそこが一番大変でしたね。
障害者雇用っていうと、まず「仕事あるかな?」ってなるんですよ。
どこまで任せられるのか、現場に負担が出ないか。 いろんな話し合いをしました。

―社長の助言もあり、倉庫内でのピッキング業務が切り出されました。 お客様から注文の入った部品を棚から集める。
入荷した商品チェックや倉庫の片付けなどの周辺業務も含まれます。

太田様:業務が決まっても、「本当にできるだろうか」という不安はありました。
通勤も毎日続けられるだろうかとか、本人が働きづらさを感じないだろうかとか。
あと、周囲の従業員がどう感じるかという不安もありました。


「必要な時だけ支える」

そんな中、現場で大きな存在となったのが、Tくんを担当した社員の存在でした。

―お話しの中で、印象的だったのが、“過剰に手を出しすぎていない”ことでした。

②

太田様:そうですね。
何でもかんでも口を出すのではなくて、まず見守る。
必要なタイミングでフォローする。 育成を担当してくれている社員の対応が、Tくん自身の成長につながっていると思います


「会社の姿勢」を、現場はみている

今回の取り組みについて、クラ・ゼミ支援担当の菅沼は、こう振り返ります。

菅沼:山下監査役や太田部長が率先して関わってくださっていたことは大きかったと思います。
会社として“ちゃんと取り組むんだ”という姿勢を現場の皆さんが見ていた。
だからこそ、Tくんも少しずつ馴染めていったのではないでしょうか。

また太田様からは、こんな言葉もありました。

太田様:菅沼さんには、本当に気軽に相談できました、何かあればすぐ連絡できる。
それがすごく安心感につながっていました。

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「考えれば考えるほど、できない理由を探してしまう」

最後に河合から、太田様へ質問をしました。

―1年前の御社と同じような状況にある企業へ、メッセージをいただけますか。

③

太田様:そうですね……。
考えれば考えるほど、“できない理由”を探してしまうんですよね。
だから、まずやってみる、ということじゃないでしょうか。


「希望あふれる会社の実現に貢献したい」

最後に、太田様から、佐野社長の想いとして共有いただいた言葉があります。

「希望あふれる社会の実現に貢献するために、障害者も安心して働ける会社を目指したい。」

障がい者雇用は、制度対応だけではありません。

「誰もが働ける社会をどう作るか」

その問いに、地域企業として真正面から向き合い始めた株式会社佐野様。
今回の取り組みは、“初めての1名”が、会社そのものを少しずつ変え始めている事例なのかもしれません。

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