障がい種別に応じた合理的配慮の実践例と導入ポイント

障がい者雇用の推進にあたり、企業が直面する課題の一つが「合理的配慮」の実践です。
合理的配慮とは、障がいのある方が職場で他の従業員と同等に働けるよう、業務や環境を適切に調整する取り組みを指します。
障がいの特性に応じて職場環境や業務を調整することで、社員が力を発揮しやすくなります。

本記事では、障がいの種別に応じた具体的な合理的配慮の事例と、導入にあたって押さえておきたいポイントを整理しました。

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採用に踏み出す前に知っておきたい「合理的配慮」とは

身体障がいに対する配慮

肢体不自由の方には、移動や作業環境の調整が有効です。

具体的には、段差解消やスロープ・エレベーターの設置、通路幅の確保、作業台や机の高さ調整、重量物運搬の補助器具の活用などが挙げられます。

視覚障がいの方には、情報アクセスの保障が重要です。

文書資料を電子データで提供したり、読み上げソフトや拡大読書器、点字ディスプレイを活用したり、会議資料を事前に共有することが効果的です。また、職場レイアウトを固定することも配慮の一つです。

聴覚障がいの方には、コミュニケーション支援が必要です。

筆談やチャットツールの活用、手話通訳や要約筆記の導入、光や振動による通知、オンライン会議の字幕機能の活用などが挙げられます。

知的・発達障がい

知的障がいの方には、作業内容の理解・定着支援が有効です。

写真やイラスト入りのマニュアルを作成したり、チェックリスト形式で手順を見える化したり、段階的な指示と定期的なフィードバックを行うことで、業務の定着をサポートします。

発達障がい(ASD)の方には、指示や環境の明確化が重要です。

指示は「内容・期限・方法」を明確にし、曖昧な表現を避けることが効果的です。また、静かな作業環境や集中スペースの確保も配慮になります。

発達障がい(LD)の方には、読み書き・計算の支援が重要です。
音声入力や読み上げソフトの活用、図表による説明、計算や文字入力にICT機器を導入することが効果的です。

精神障がい・難病等

精神障がいの方には、柔軟勤務やストレス軽減の配慮が有効です。

短時間勤務や時差出勤、在宅勤務を導入したり、業務分担を明確化したりすることで負担を軽減できます。さらに、面談や相談窓口の設置、休憩スペースの確保、通院・服薬への配慮も重要です。

難病等の方には、体調や通院に応じた配慮が必要です。

症状に応じた在宅勤務や短時間勤務の導入、休憩の確保、定期通院への勤務調整、感染症対策(換気・消毒・テレワーク)などが挙げられます。

導入のポイント

合理的配慮を職場に導入する際は、次のステップを意識すると効果的です。

  ✅ 社員一人ひとりの業務上の課題を把握する
  ✅ 障がい特性に応じた配慮内容を個別に検討する
  ✅ 関係者に配慮内容を周知し、職場全体で支援体制を整える
  ✅ 定期的に配慮の効果を確認し、必要に応じて改善する

まとめ

合理的配慮は「特別扱い」ではなく、すべての社員が能力を発揮できる職場づくりの一環です。
法律で定められた“義務”であると同時に、企業の採用力・定着率を高める鍵にもなります。

障がいのある方への合理的配慮は、企業の誠実さや持続的な成長を示す大切な取り組みです。


しかし、「どのような配慮が必要なのか」「現場でどう実践するのか」といった点で悩む企業は少なくありません。


当社では、障がいの種類や特性に合わせた具体的な配慮内容を整理し、実践につなげるサポートを行っています。
もし自社での取り組みに迷いがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。




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